サイバー・フィジカルシステムズ(CPS)がもたらすイノベーションと製造業の未来
サイバー・フィジカル・システムズ(以下、「CPS」)を製造業に活用する壮大な試みが始 ま っ て い る 。 先 行 す る 米 国 は こ の 取 り 組 み を 先 進 的 な 製 造 業 (Advanced Manufacturing)と称し、ドイツはインダストリー4.0 と呼ぶ。CPS とは進化したセンサーやネットワークを介し物理的な実世界(人間のユーザーを含む)とサイバー空間を結びつけ、人間の意思決定をサポートする次世代のエンジニアリングシステムのことだ。
主に計算(コンピューティング)、センシング、ネットワーキング、通信プロセスといった要素技術を綿密に構成し、統合したシステムが CPS である。例えば、設備に組み込んだセンサーから送信されたデータ(物理的な実世界)を仮想モデル(サイバー空間)上で解析すると生産設備の稼働の状態監視や故障予測が可能になる。この仮想モデルを構築するには生産設備から集められたビッグデータを適切に処理する高度な分析技術が必要になる。
モノづくりの現場は多種多様な情報が行き交い最も標準化しにくい対象といわれてきた。ところが CPS をモノづくりに導入するとなると製造や生産管理、保守などのデータ収集やモデルの「標準化」は避けられない。米国発の IT 革命は商取引やサービスなどを一変させた。イノベーションの波はモノづくりの世界にも押し寄せている。CPS を基盤とする高度なモノづくりを模索するなかで、新たな産業の創出につなげようという狙いもあるだけに国家間および企業間の開発競争は一層激しさを増していく。
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