暑さという名のサイレントキラー

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暑さという名のサイレントキラー

暑熱、熱中症と健康リスクの関連性が科学的にも実証されつつある。米国では、データの蓄 積と研究から、暑熱は脳疾患、呼吸器系や循環器系などの基礎疾患および慢性疾患を抱え る人の容態を悪化させることが明らかになっている。他方、持病や慢性疾患が原因で熱中症 を併発し、重篤化しやすくなることもわかってきた。

日本でも、7〜8月というきわめて短い期間に熱中症で搬送される人員数の急増が今後も見込まれる。強い日射しに加え、高温、高い湿度、大気汚染など複数の条件が重なると熱中症のリスクがさらに高まる。年齢、職種、持病および慢性疾患の有無によっては熱中症が重篤化し、最悪の場合死に至る危険性もある。猛暑日(最高気温が35℃以上の日)の日数の長期化と発生頻度も高まると予想され、医療機関や救急医療体制の逼迫が懸念される。

われわれが直面している地球温暖化は変化そのものもさることながら、その変化の速さが問題だ。より広範囲に、かつ急速に気候が変化するほど、社会や経済に与える潜在的な悪影響は大きくなる。

本リポートは、今や沸騰化とさえ呼ばれる地球温暖化による暑さが引き起こす心身の健康被害について述べ、早急なる対応の必要性を訴えるものである。言うまでもないが、気候変動は公衆衛生、エネルギー生産と利用、土地利用と開発のあり方に大きな影響を与える。将来のリスクを減らすため、適応力やレジリエンス(復活力)を高める方策が必須である。

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